久喜市が人口減少化対策の第一歩 

 

久喜市が人口減少・人口ピラミッド反転化(人口構造から見る少子高齢化)対策の第一歩はじめる
 昨日の市議会で、久喜市が人口減少・人口ピラミッド反転化(人口構造から見る少子高齢化)対策に取り組んでいくことを言明した。

私(石川)が行った市議会の一般質問に答えた。
久喜市では、平成16年5月から住民基本台帳人口と外国人登録人数を合わせた総人口がわずかながら減少しており、さらに久喜市が統計などをもとに調査した結果、このままでは今後、益々少子高齢化が進み、人口ピラミッドが将来的には反転することも推測されている。
このようなことから、質問では、他の自治体では若年層(20代から30代くらい)の定着化が人口ピラミッド反転化を緩和し、さらにこのことから子どもの数も増加、人口減少傾向も緩和化させていることを提示し、現在の久喜市の状況や取り組みを聞いた。
しかし、市では若年層の定着化の必要性や市への転入者よりも転出者が多い「社会減」となっていることを認めながらも、今までは調査などをしておらず、実体把握などもできないことから、提案にあった通り、先ずは久喜市から転出していく方々に転出理由を任意で書いてもらうアンケートを実施して、転出理由を分析していくとした。
今後は、久喜市からの転入者が転出者を上回らないように対策を講じると共に、若年層の定着化、転入に有効な施策を政策として実行していくことが求められていく。

(ちょい一言)
市は今後、先ずは転出者にアンケートなどで理由を聞いて分析をするという。今まで、市では具体的に転出して行く方の調査などをしたことはなく、「社会減」の要因を分析したことがなかったことを考えれば、一歩目を踏み出したと言える。

ただ、今後はこのアンケートの分析と、これを資料の一つとして、政策として活かしていくことが一番重要なことだ。
国立社会保障人口問題研究所や総務省、厚生労働省などの調査では、2020年代後半から日本の人口は急激に減少する。それまでは穏やかだった人口の減り方も加速されていく。久喜市も例外ではないことは、市がつくった資料から明らかだ。

人口構造を変えるには、年の積み重ねであることから、今から日本の人口を増加させることは難しい。急に今年から子どもが多く生まれても、その結果が出るのは数十年先だ。それを上回る高齢者が多い為だ。
ただし、自治体は違う。自治体は他の自治体から転入することによって、その時々の人口構造を変化させることができる。そして、その鍵となっているのが20代や30代の若者の定着だ。 実際にこの年代が多く転入した自治体で将来の人口減少が緩和されたり、人口ピラミッド反転化の抑制に効果が現われているところもある。
そして、この年代の定着は、通勤や雇用環境、生活環境や自然環境などによることも大きく、行政が何もしなくても成功しているところもあるが、行政が政策的に主導して成功したところもある。2025年から30年の間で、日本で人口が増える都道府県は一つだけだ。東京でもなければ大阪、埼玉でもない。滋賀県だ。もともと、近畿圏への通勤に便利なところに県や関係市町が政策的に対策を講じて成功させている。

国立社会保障・人口問題研究所では、2030年には9割の自治体の人口が減少すると推測されている。日本全体の人口減少となれば、今後は通勤や生活そのものに便利な比較的大きな都市に人は移住し人口は集中する。一部の特色ある自治体や観光地を抱える自治体を除いて多くの自治体では、人口減少と共に人口ピラミッド反転化が起こる。しかもそれによる負の部分を吸収できない自治体も出てくると予想できる。
久喜市にそんなことがあってはいけない。
そうならない為にも、先ずは状況を分析して、政策として人口減少の緩和と人口ピラミッド反転化抑制を進めなければならない。

 

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