市内女児が新型インフルエンザに感染 

 

市内女児が新型インフルエンザに感染
 今日、久喜市から市内女児が新型インフルエンザに感染したことが明らかにされた。

市によると、6月28日(日)22時40分に埼玉県より電話連絡があったということで、感染者は久喜市立久喜東小学校の女児という。

県からの連絡では、女児に渡航暦はなく、27日(土)朝に体調不良をのため、市内医療機関を受診。28日夕方、県衛生研究所の検査結果において新型インフルエンザの感染が確認された。
感染経路は調査中で、26日(金)に女児と同クラスで頭痛や発熱を訴えた児童がいるとう情報もあるという。

こうした状況を受け、久喜市新型インフルエンザ対策本部会議(田中久喜市長が本部長)は、女児の学級閉鎖を今日決定、同校の全クラスの健康観察を実施することなどを決めると共に、現段階では市立幼稚園、小中学校及び保育園、福祉施設などの休業は行わず、防災無線での周知も行わないことも決定した。

また、今日午後1時頃には、市教育委員会から同校の健康観察の結果報告があり、別の学年同クラスでも8人が欠席しており、このうちの2人がインフルエンザA型陽性者であることが確認された。この児童の新型インフルエンザへの感染については未確認だが、学校医の指導によって明日から7月5日まで同クラスを学級閉鎖にするという。

(ちょい一言)
女児の早い回復を祈り、県からの報告に基づいた市(新型インフルエンザ対策本部)の迅速な対応は評価するが、危機管理上の問題も露呈した。

久喜市では、どのような基準があるのか分からないが、市が考える緊急性がある連絡は、議員にもFAXで連絡がある。

前回の新型インフルエンザ感染者の時と同様、今回も市からFAXで連絡がきた(午前9時54分(市の正式発表は午後6時23分))。これ自体は、日頃から市民に接する機会が多く、政策的な判断を求められることもないとはいえないことから、議員への迅速な情報提供ということで理解できる。

しかし、今回のFAX連絡では市からの誤送信があり、危機管理上、問題があったと言わざるを得い。市内医療機関に対して送信すべきFAXを議員各位に送信していたのだ。
問題を2点に絞り、以下に掲げる。

① 医療機関宛のFAXを議員各位に誤送信したということは、医療機関に対してFAXで連絡をすることがあることが前提となる。
こうした場合、医療機関には様々なタイプがあるが、FAXの設置場所によっては医療機関関係者以外に露出することはないのか。また、記録紙を扱う医療機関側の担当者によって、取り扱いに注意を要する情報がどのような手順で適切に処理されるか、不安もある。
今回、議員に誤送信されたFAXには「非公表情報でありますことから、ご留意くださいますようお願い申し上げます。」と記載されていた。もしも重要な情報を一般に送信していたらどんな二次被害を生じさせていたかも分からない。情報提供側の市は提供を受ける側の状況も事前に把握すべきだが、どのようにされていたのか。

② 市は、誤送信をした後に議員各位に電話で謝罪をしたが、それは市保健センターからの電話だった。しかし、FAXを送信したのは、受診記録によると久喜市教育委員会からとなっている。情報を共有、配信するなどの役割分担が明確さされていないのではないか、もしくは明確化されているにも関らず徹底されていないのではないだろうか。

③ 今回の誤送信は、受診した議員からの指摘で発覚した。「非公表情報」という重要性を念頭に、送信後の送信記録の確認や送信作業自体のチェックを入念に行うことで、未然に誤送信は防げたのではないだろうか。

今回の件は、単に誤送信とは片付けられないものがある。
担当した職員の責任というつもりは微塵もない。それよりも、これは市全体の危機管理、情報管理の問題だ。

個人情報など一旦、外に出れば人権の問題など大変な自体に発展する恐れがあるものもある。また、民間への風評被害を行政がつくり出すこともあってはならない。
もう一度、非常事態や緊急事態での”情報管理””情報提供”について危機管理上の手順などを再点検する必要があるだろう。

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