市民の森構想 

 

市民の森構想
 市は、今週月曜の議会において、昨年廃止した基金「みどりと森のふるさと基金」の代替案として決定した市民の森の計画を公表した。(質問者=石川)議会では、森づくりに外来種や園芸種、果樹を中心にしたニセ市民の森をつくることがないよう求められたが、市は専門家の指導を得て、良好な自然林をつくる計画という。
以下がその計画の概要

○ 場所は市総合運動公園東南部の空き地と通路部分
○ 面積は、3000平米
○ 地域にあった自然林とする。
○ 今後は、12月19日に講演会と説明を行い、来年の2月広報で市民参加の募集をかけ、3月に市民参加による植樹祭を行う。
○ 市の予算2000万円の範囲内で、市が主体的に事業を行うが、植樹や樹木の寄付は市民参加を補足的に得て行う。
○ 1平米あたりに3本の植樹を行い、自然淘汰による森をつくる予定
○ 植樹を行う樹種は、地域にあった10種類程度に限定する
○ 市民からの樹木の寄付については、事前に寄付を受ける樹種リストを配付して、寄付者の意向を聞いてから寄付を受け入れる。
○ 植樹した市民の森(仮称)については、焚き火の禁止や伐採、消毒などの管理方法を何らかの形で基準を作成することを市内部で検討する。

(ちょい一言)

森をつくるための基金が廃止になったことに基づく、代替案としてのこの市民の森に、規模は相当、狭小化・限定化されるが期待するほかない。
そして、市のこれまでの方針である、良好な生態系の維持・創造のためにも「ニセ市民の森」では困る。市民の森は、単に市民参加を得るだけではなく、環境負荷を低減させ、将来世代の子どもたちの未来にも持続可能なものでなければならない。

各地の植樹では、「自然を残そう」としながらも、もともとの地域に残された貴重な植物や昆虫などを排除して、園芸種や外来種などを植樹して逆に自然破壊するものが見られる。
本来は、限られた地域に生態系を維持しながら残された自然を保護、育成するのが行政の役目だ。

これまで、久喜市は環境基本条例をはじめ、各種行政計画においても、上記の考えに基づいて事業を行ってきたのだが、残念ながら基金は廃止になった。だからこそ、今つくる森は、「ニセ市民の森」ではない充実したものにする必要がある。

今後の自然的優良地は、自然保護条例にもとづく指定が期待されるが、市設置の森として目的と責任を果たすことを期待している。

Top